『はじまりのうた』
タイトル
はじまりのうた
原題
Begin Again
制作年
2013
日本公開日
2015.2.7
監督
ジョン・カーニー
出演者
あらすじ
ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が映画の主題歌に採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことにしたグレタ(キーラ・ナイトレイ)。瞬く間にデイヴはスターとなり、二人の関係の歯車に狂いが生じ始め、さらにデイヴの浮気が発覚。部屋を飛び出したグレタは旧友の売れないミュージシャンの家に居候し、彼の勧めでこぢんまりとしたバーで歌うことに。歌い終わると、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)にアルバムを作ろうと持ち掛けられるが……。
予告編
感想
新宿ピカデリー スクリーン6にて鑑賞。
本国で公開された時から気になってた映画!やっと日本に来てくれた!
監督は名作音楽映画『Once ダブリンの街角で』のジョン・カーニーだし、大好きなキーラ・ナイトレイが出てるから待ち遠しかった。久々に事前にサントラも購入しました。
繰り返し聴いたけど、特に良かったのはキーラ・ナイトレイが歌う『Lost Stars』
観終わった後は聴きながら帰りました。
音楽の力って素晴らしい
失恋したグレタ(キーラ・ナイトレイ)と仕事をクビになり家族ともうまくいかない元敏腕プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)が出会いアルバムを製作していくというシンプルなお話。ただお金がない彼らには当然スタジオを借りることはできずにいた。そこでダンが思いつく。
街中をスタジオにしちゃえばいいじゃん!!
公園だろうと路上だろうと録音し続けてアルバムを完成させようとするのです。騒音や警官の邪魔が入ろうが生の音をゲリラで録音する。そんなはちゃめちゃな行動を通して、ダンは娘との距離を縮めていく。このDIY精神溢れる録音シーンは観てて気持ちいい。
金がなかろうが機材がなかろうが大切なのは魂なんだと思えます。高い機材買い揃えようが良くない音楽は良くない。本当に良いものはどこであろうと生まれてくる。
なにより惹かれたシーンはグレタとダンが同じ音楽を聴きながら散歩するシーン!
同じ音楽とか映画を知ってお互いの距離を縮めていくってよくありますよね。イヤフォンのスプリッターが欲しくなりました。こんなデートしてみたい。
最初から最後まで音楽の魅力に溢れた映画でした。何回も見返したり、何年も語り継がれる名作ではないのかもしれないけど、気分良く劇場を出れる元気をくれる作品。観終わった後にサントラを聴くのもまた良い。ブルーレイ出たら買います。
ファッション
音楽以外にも主人公2人のファッションが良かったです。
グレタは作中でもダンに「流行遅れで男の子みたいなファッション」と言われてましたが、男に媚びてないんですよね。デニムにシンプルなシャツかワンピース。音楽性にも彼女の確固たる意志があって、売れるための演出を許さない。そんな性格が表れてました。
ダンはシンプルなジャケットスタイルなんだけど、まさに自分の好み!こういう格好が似合う男になりたいもんです。マーク・ラファロが出てる映画(アベンジャーズ、ゾディアックなど)は何本か観てきたけど、一番カッコよく見えた。やさぐれてるけど、それ以上に魅力的。
この映画の中で一貫して語られていたのは「音楽の素晴らしさ」と「本当に良い音楽とはなんだろう?」です。前述のゲリラ演奏シーンの高揚感は音楽が完成していく様を見ているようで、本当に楽しかったです。演奏してる演者もみんな笑顔で演奏してました。私も楽器をやっているのでなおさら心にきました。みんなで一つの音楽を作るって最高に楽しいんです。裏には練習の努力があるんだけど、人と演奏するときはそんな苦労を忘れるほど夢中になれるんです。それを思い出しました。
そして、拝金主義の音楽業界への批判が効いてるラストも印象深かったです。
こういう批判ができるのも、誰でも音楽を作ってPCで配信出来る世の中になったからこそのような気がします。昔ならレーベルの力なしでアルバムを作ることが難しい。
私も頑張ろうと思えた月曜の朝に相応しい作品でした!おすすめです!
ジョン・カーニー監督の前作。昨年ようやくブルーレイ化しました。